なぜインドはロシアの石油をこれほど渇望しているのか?

ムンバイ（AFP）－ロシアによるウクライナ戦争から1年以上が経過し、世界の燃料の流れを再構築する中、インドはロシアから割引原油を調達し、精製して販売し、欧州への主要供給国となっている。

発行日: 2023/03/31 - 09:20

ニューデリーは、モスクワを凍結せよという西側の圧力に抵抗し、その代わりに長年の同盟国との貿易関係を強化することを選択し、資金を節約しながらインフレを抑制するという追加の利点も得た。

インドは米国、中国に次ぐ世界第３位の原油消費国で、必要量の８５％を輸入している。

以前は主なサプライヤーは中東にありました。今ではロシアが1位です。

孤立したモスクワにとって、インドと中国は最大の顧客となった。

国際エネルギー機関によると、インドは3月に日量162万バレル（bpd）をロシアから輸入しており、これは石油輸入総額の40％に相当し、戦前の日量約7万バレル（bpd）からの輸入量はわずか1％に過ぎなかった。

水曜日、ロシアのエネルギー大手ロスネフチは、イーゴリ・セーチン最高経営責任者（CEO）のインド訪問を受けて、国営インド石油会社への供給を「大幅に増やす」契約を発表した。

インドは戦争勃発後の10か月間で、ロシアから割引原油を輸入することで36億ドルを節約したと国会議員が12月に発表した。

インドが12月にG7が導入した1バレル当たり60ドルの上限価格を大幅に下回るロシアの主力ウラル原油を購入しているとエネルギー貨物追跡業者が報じたことで、節約額はさらに拡大した可能性が高い。

「世界第3位の石油とガスの消費国であり、所得水準があまり高くない消費者として、インドの消費者が最も有利な条件で国際市場に最大限のアクセスを確保できるようにすることは、我々の基本的な義務である。インドのS・ジャイシャンカール外相は11月にモスクワでこう語った。

インドには 23 の製油所があり、年間 2 億 4,900 万トンの石油を精製しており、世界第 4 位の製油所となっています。

アジアで最も裕福なムケシュ・アンバニ氏のリライアンス・インダストリーズはグジャラート州で世界最大の製油所を運営しており、同氏はそこでロシア産原油の購入を強化している。

貨物追跡会社ヴォルテクサのデータによると、リライアンスは、インド第2位の精製会社ナヤラ（ロシアのロスネフチが49％出資）と合わせて、インドに流入するロシア産原油の45％を輸入している。

精製された製品の多くはインドの消費者に送られます。

しかし、余剰のおかげで、インドはヨーロッパなどへのガソリンとディーゼル（一部はロシア産原油から精製）の主要供給国として浮上した。

日刊紙インディアン・エクスプレスは公式データを引用し、インドの欧州連合への石油製品輸出は4月から1月の間に前年同期比20.4％増の1160万トンとなったと報じ、インドの精製業者は「高い利益率」を享受していると付け加えた。

モスクワに対する制裁にもかかわらず、精製された製品はロシアから来たものとみなされないため、これは欧州連合の規則には違反しない。

また、このことは、すでに猛進するインフレに動揺している消費者にとって価格を押し上げることになる供給問題をブロックが回避するのにも役立つ。

ヴォルテクサの首席エコノミスト、デービッド・ウェシュ氏はAFPに対し、「世界はロシアの石油なしでは非常に困難な時期を迎えるだろう」と語り、モスクワを完全に切り離せば「深刻な不況」を引き起こすだろうと述べた。

2月に発表されたブルームバーグの報道によると、欧州が制裁を強化する中、インドの役割は「ウラジーミル・プーチン大統領の1年に及ぶウクライナ戦争によって塗り替えられた世界の石油地図において、ますます中心となる」だろう。

インドの購入にもかかわらず、ロシアは依然として石油輸出による侵略前よりも収入が減っているが、これは追加コストや、原油を地球の反対側まで輸送するための保険の取得などの難しさが一因となっている。

「そう呼んでいいのなら、そこにはある種の美しさがある」とウェシュ氏は語った。